校訓 志ある者は事ついに成る

「第3回滝西・英語教育改善セミナー」について

平成26年12月18日(木)、全道的な悪天候のさなかではございましたが、全道各地から多数のご参加をいただき、9月に引き続き今年度2回目(通算3回目)となる滝西・英語教育改善セミナーを開催しました。今回は公益財団法人日本英語検定協会からご後援をいただき、東京から制作部アドバイザーの柳瀬和明氏をお迎えして特別講演をしていただくなど、大変充実した一日となりました。 

○公開授業

 午前中は、「普通科におけるCan-Doリストを活用した3年間の系統的なオールイングリッシュの授業」、「実践的な英語コミュニケーション能力と論理的思考力の育成をめざした生徒の言語活動主体の授業」を意識し、普通科1~3年生までの授業を公開しました。普通科Can-Do Listでは卒業までに英語でマイクロディベートとディスカッションができることを目指しており、その達成に向けて言語活動中心の授業展開を各学年の学習段階に応じて取り入れています。

当日の授業の様子【詳細は授業案(1年2年3年)をご覧ください】 

【コミュニケーション英語Ⅰ】普通科1年G組 木村 滋雄 教諭、石山 智弘 教諭

ペアで「食べ物」について、英語だけで(ジェスチャーや日本語を使わずに)相手に伝えあう活動(Small Talk)をした後、英検3級二次試験レベルの質問に情報を一つ加えて次々に答えていくEnglish Salonという活動を公開しました。

【コミュニケーション英語Ⅱ】普通科2年E組 堀  秀和 教諭、佐々木 康希 教諭

English Salonでアイスブレーキングをした後、“Takinishi should introduce “Casual Clothes Day.”(「滝西は私服登校日を導入すべきである」)という話題について、賛成・反対それぞれの意見をペアで共有し、その内容を他の生徒に伝えるレポート活動や、相手の意見への反駁練習を公開しました。

Reading】普通科3年国際文化コース 安田 真由美 教諭

生徒が教科書の本文内容について英語で要約を練習した後、”What can we do to contribute to the world as high school students?”(「高校生として世界に貢献するために何ができるか」) というテーマで英語のグループディスカッションを行った後、各グループからの発表を行いました。

○研究協議

【國學院大學北海道短期大学部 二ノ宮 靖史 準教授】

Can-Doリストによる目標設定(計画立案)と実践による成果が出ている。
・英語科8人全員の共通認識がある。
・1~3年生までintroductionbodyconclusionTopic Sentence-Supporting Sentence-Concluding Sentence)という思考の構成が指導されている。このことにより、教師は指導がしやすく、生徒は理解しやすい。
・3年生のディスカッションでポストイットを用いた思考のグループ分け(clustering)や優先順位づけ(Listing)がされていた。思考を可視化し、全体で共有する上で非常に効果的な手法である。論理的思考力が着実に育成されている。

【北星学園大学短期大学部 専任講師 白鳥 金吾氏】

・オールイングリッシュによる言語習得のインプットの重要性
・生のインプットの重要性(CDでは生徒の状況にあわせた指導はできない)
・ロールモデルとしてのJTEの重要性(生徒にとってJTEは英語学習者として最適のモデルである。)
・コミュニケーションスキルが学年を追うごとに上がっている。
・英語で授業をすることで、先生も生徒も優しくなり、助け合いながら英語コミュニケーション力が育まれる。

・生徒の英語力の向上につながるティームティーチング(T.T)を意識すること。
・言語活動のみで1時間使う大胆さが良かった。教科書を終わらせることが目的ではなく、目的を達成するために使うべき。
Teacher’s Talkをもっと取り入れるべきである。生徒同士のコミュニケーションの機会は多かったが、教師と生徒とのコミュニケーションの機会をさらに増やすことで、話題の広がりや深まりを考えさせることができる。生徒は先生がどう思っているのかを知りたがっている。
・ハンドアウトからスラッシュが消え、代わりに教科書を生徒が理解できる英文にSimplifiedして提示していたことは非常に良かった。
・ディスカッションでは生徒が英語で司会をしており、昨年度から更に進化していると感じた。
・ディスカッションで日本語を使っている生徒への教師の介入方法が素晴らしかった。短時間で英語を使おうと生徒達の様子が変化した。

○「滝川西高校の観点別評価の取組」について

 午後からは本校英語科研究主任の佐々木康希教諭が「観点別評価の取組」について報告を行いました。実際に今年度行ったパフォーマンステストの様子をビデオでみながら、参加者の皆さんと評価を行う一コマもありました。
 【※詳細はパワーポイント資料をご参照ください。】

○特別講演(財団法人日本英語検定協会制作部アドバイザー 柳瀬 和明氏)

 その後、「初級から中級の『壁』を考える -学習者を俯瞰する視点-」というテーマで、公益財団法人日本英語検定協会制作部アドバイザーの柳瀬和明氏に特別講演をしていただきました。学習者の実態把握や、指導時の論点を論理的に、かつ多様なデータを活用されながら、「英語で伝え合う中身(話題の「広がり」と「深み」について)」、「質的に異なる言語能力」、「言語技術・言語力」、「学習者の日本語生活調査から見えること」、「英検合格者の調査からみえること」、そしてCan-doという視点から見えること(CEFRCEFRJの外部指標の活用等)」についてお話しをしていただきました。参加者からは「目からウロコ」、「今後の英語の指導改善はもちろんのこと、学校全体での教科横断的な指導の重要性を再確認し、行動に移すきっかけをいただいた」などの声があがり、大変満足度が高く、密度の濃い内容のご講演でした。

○アンケート

 次回は立教大学経営学部の松本茂教授をお招きし、2月25日(水)に「第4回 滝西・英語教育改善セミナー」を開催予定です。詳細は本ホームページでもご案内します。皆様のご参加を心よりお待ちしております。